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ナムジャイブログ

2015年09月16日

日本人の生活コストと給与額

今日も日本人(男性)の面接をした。

彼はタイに来て8年だと言う。とても好青年であるし、学歴も申し分ない。
ただ、職歴がメチャクチャだった。

僕が提示する給与は100,000baht。
タイではこれに見合う日本人に滅多に会うことができないのが現実である。

逆に50,000baht程度で就職していく現地採用者が多いが、残念ながらそういう人は欲しくない。

僕にはこんな試算がある。
それは日本人が正常な生活をタイで送っていく場合に最低限必要なコスト。

※タイ国内
家賃:10,000baht
光熱費:3,000baht
通信費(携帯):1,000baht
通信費(自宅): 1,000baht
交通費;3,000baht
交際費:5,000baht
医療保険:10,000baht
食費:25,000baht
※日本国内
国民年金:15,590JPY (約5,000baht)
その他日本での生命保険など
Total:58,000baht

これは最低限と言えると思う。最低限の生活コストではなく、最低限日本人として普通の人が必要なコストだ。

コストを分解していくと、
※タイ国内
家賃:贅沢を言わなければこの程度の家賃で十分に綺麗な環境に住める
光熱費:エアコン無し、水シャワーで暮らせばもっと安い
通信費(携帯):大手携帯会社の大きめのパッケージが1,000baht弱
通信費(自宅):タイでは一般的なCATVとのパッケージが1,000baht弱
交通費:タイの企業では通勤交通費が出ない場合が多い為。また自宅からBTSの駅までにバイタクなどを利用することも前提として。
交際費:月に2回くらいは友達なりと飲みに行ったりするであろう前提として。
医療保険:キャッシュレスで診療を受けられる医療保険を前提として。真っ当な暮らしをしてきた日本人なら必要な保険。
食費:決して贅沢をせず、外食と自炊(又は屋台などで買い物)をMIXしてこのくらい。
※日本国内
国民年金:真っ当な暮らしをしてきた日本人なら国民の義務を果たすことも忘れない。
その他:生命保険などは個人の判断であるが、30代以上で生命保険に入らないような人が日本人として普通の人と言えるだろうか。
となる。

当然、削れば削れる部分もまだある。
しかし、この試算でも解るように給与50,000bahtでは既に足りないし、60,000又は70,000くらいでも残るか残らないかの瀬戸際である。

私が今の会社での日本人採用に対する基準を決める時にはこの試算を利用した。そして、100,000bahtという初任給を決定した。
何故なら、この試算以下の生活をする人は日本では普通のサラリーマン以下であるからだ。100,000bahtならばうまくすれば100,000JPY程は残すことができるかも知れない。それは余裕ではなく、その他の保証の無い外国人にとっての保険のようなものである。

だから私は、希望給与を聞いた時に50,000bahtとか60,000bahtとか言う人には帰ってもらう。
そんな人と仕事をしても何も産まれない。多くの人が言う現地採用で働くダメな日本人を雇って給与をあげるボランティアにしかならないのだ。

その反面、多くの在タイ日系企業ではこの足りない給与を平気で提示する。
この状況は雇用側も被雇用側もどうかしている。

タイで決められた日本人50,000bahtという下限は(これですら曖昧だが)、タイ政府にとってはそこからの税収を逆算した数字に過ぎないと思われる。
50,000bahtと決まってるのだから50,000でいいやというのは私には全く理解ができない。
例えばそれが日本の田舎町の企業で近所で親元に住んでいてという条件でもあれば、50,000baht(約150,000JPY)でもいいかも知れない。それこそ足りるでしょ?と言える。
しかし、ここは我々日本人にとっては自国ではない。もし、この国で働いてその所得から住む家を購入してという我々の普通の発想を満たすだけでも、50,000bahtの給与では何もできないのだ。因みに外国人でも組める住宅ローンの所得制限を見ると年収でUSD50,000くらいだと思う。
ということは、100,000baht x 12 month の給与を得たとしてもどこまでいってもこんな普通のことも実現できないのである。

ただそれでも、スタートラインが100.000bahtならあとは本人の頑張次第でどうにかなるだろう。
それが私が100,000bahtを初任給に決めた理由であり、それ以下の人を採用するほど私は甘くない。

今日の彼も残念ながらこれを満たす人ではなかった。
そして多くの企業がそれを満たすことができない現実がタイにはある。
こんな単純試算もできずに人材採用を行う企業、そんな会社に勤めてはダメだ。

因みに私はタイに来てからも年収でUSD50,000を割るようなことはなかったし、もしその程度の稼ぎもできないのであれば日本へ帰るか他の国に移り住むだろう。それが普通のごく普通の日本人の考えだと思う。




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クルマ(2015-09-21 18:38)


Posted by Tokyoman at 16:28│Comments(0)給料
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